引っ越したお


東京から愛知に引っ越しをしてから二週間経った。宅急便で送れずに処分してしまった椅子の代わりも届いて必要な家具は揃ったので、引っ越し前後の、立膝でデスクトップPCを操作したり食器を床に置いたりする関節に余計な負担がかかる生活も終わった。
   
生活上の不便が解消されるのと同時にすべきことができない言い訳も消え、引っ越しの雑多な作業によって有耶無耶にされていた人生の焦りがゆるく蘇生した。引越作業のように、他のことを先延ばしにできる程度の緊急性をもって集中できる短期的な目標がないと精神的に落ち着かない。しかしそうした目標の設定は精神的に多少以上の余裕や運がないとできないので、これを単純に逆行して解決法にするのは難しそうだ。

 

引っ越してきた家には3口コンロ付きのキッチンがあって、大きめのバスルームと、トイレもあるので、ワンルーム生活に比べて生活がしやすくなった。以前住んでいたアパートは14平方メートルしかなかった。それでも工夫をしてなんとか暮らしていたけれど、いったん空間のすこし余るくらいあるのを経験すると、もう戻れそうにない。まだコンロが3口あるのに慣れなくて、1口しかないつもりで料理をしてしまうので、要領の悪さで資源を持て余している。20分で3品作れるようになりたい。